「C型慢性肝炎に有機ゲルマニウム製剤の経口投与が有効なことを、荒川泰行・日本大学医学部助教授らのグループが臨床試験で確かめ、大阪府吹田市で開かれた日本微量元素学会で発表した。
経口投与なので、何度も通院する必要がなく、しかも通常に摂取していれば副作用がないのがメリット。
荒川助教授らは20~60代のC型慢性肝炎患者20人に、毎日60mgの有機ゲルマニウム剤を6ヶ月間投与。約半数の11例で、肝機能の指標となるGOTが平均105から77、γーGTPが90から66へと下がり、肝機能を改善することが明らかになった。肝硬変につながる線維化の抑制に効果がある例が多かった。
有機ゲルマニウムを試したのは、免疫を高める作用、肝臓保護作用などが知られているからだ。無機ゲルマニウムは、腎臓に害があると言われているが、有機ゲルマニウムは適正量の範囲内だと特別の副作用がないことが、今回の試験で確認された。
C型肝炎はウイルスが原因で輸血後肝炎の90%以上を占め、全国で年間約170000人が発症、約半数が慢性化する。